モアイ倒し戦争

先日読んだ本に、近代以前の人間社会において森林は燃料として、水源として、インフラの材料として欠くべからざる存在であったと。例として、エネルギーの供給源である森林の量に基づいて人口までもを統制した日本、森林限界を越え石炭を求めて海外へ進出した英国。エネルギーが人間の活動の限界域を規定するというのは、とても説得力のある話だった。 ここで俄然気になってくるのがイースター島の事例だ。10~17世紀にかけて、小さな島でモアイ像を建てまくる。運搬材・建材として木を伐りまくる。森林消えまくる。土壌流出しまくる。人口爆発と深刻な食料不足による部族間闘争「モアイ倒し戦争」の激化(名前はちょっと可愛い)の末、石器時代並みへの後退を余儀なくされる。モアイ像に象徴される島の民の精神・文化は確かに大事なものだったのだろう。でも、本当にそこに至るまでするほどに大切なものなのか。きっと悪いやつがいて、モアイ競争をエスカレートさせる方向に煽動したのだと思う。当時、「そこまでしてモアイに入れ揚げるなんてどうかしてる!」などという発言は到底受け入れられるものではなかったのだろう。実に恐ろしい策と思う。モアイ倒し戦争。ぷっ。

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