じゃがいも飢饉について調べていたらつい夢中になり電車を乗り過ごす。それでも平然と業務開始45分前には現着しているこの社畜根性よ。ともあれ、じゃがいも飢饉凄い。思ったよりもごくごく最近の19世紀中期のアイルランドでの出来事。なぜか16~17世紀辺りの出来事と思い込んでいた。当時の貧農の主食一番手となっていたじゃがいも。しかもできるだけ収量が大きくなる品種ばかり植えていたので遺伝的多様性が極端に乏しいところにじゃがいも疫病襲来。じゃがいも壊滅的打撃を受ける。当時のアイルランドの農地の所有者はその多くがブリテン島在住の不在地主。自らの地代収入を確保するため、その時点で食料不足になっているにも関わらずアイルランドからの食料輸出決行。飢餓輸出。食べ物足りてないのに食べ物売っちゃってる。ノブレス・オブリージュとは何だったのか。そんな飢餓海峡を渡れるなんて人間じゃない、とも思う。しかしそんな飢餓海峡を渡れてしまえるのもまた人間なのか、とも思う。さらに政府の救済策の対象が土地を持たない者であったため僅かな土地を売り払うもの続出で、食料生産基板自体が崩壊し飢饉を助長してしまう。人口の20%が餓死か病死。チフスとコレラを合わせたよりも多くの死を振り撒いたともいう。また200万人以上が島外に移住移民したという。 当然心理的な葛藤・憎悪・ルサンチマンも相当のものがあると思われるが、幸いなのはじゃがいも飢饉を検証することが禁止されていないこと。エウレカセブンで「過去と未来とどっちが大事なの!」的な台詞があったように記憶しているが、もっともそうでいて多分に誘導的な問いだと思う。未来を紡ぐために過去の地道な検証が必要なのだと思う。わだかまり、ルサンチマンを拡大再生産するような構造を破壊するのが、歴史学のひとつの理想であると思う。言うほど簡単ではないけど。逆に一切の検証を禁じ疑問を抱くことすら許さないような状況は圧倒的に不健康だ。よほど隠しておきたいとてつもなく臭いものが分厚い隔壁の下にあるようにしか見えません。
ジャガイモ飢饉
サルベージ日記

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